証券マンは信用できるのか?

塩漬け状態の顧客が多数

証券マン時代に驚いたことは、9割以上の顧客の預かり資産が含み損状態になっていて赤字表記されていたことです。
元本が半分まで減っているお客様は半数以上、3割程度の損失のお客様は良い方でした。

ごく少数のお客様が含み益でしたが、その黒字表記はとても際立っていたものでした。

証券マンを信用して取引したのに損をさせられた、そういう人が多いと思います。

損失になっている顧客の大半は証券マンを信用して、勧められた株などを買って損して動けずの塩漬けの状態になっています。

なぜ証券マンの言うとおりに取引をして儲けることが出来ないのか、含み損になっている時に証券マンはどういう心理状態なのか、にスポットを当てて説明していきたいと思います。

店舗型証券会社の取引手数料は高い

多くの店舗型証券会社の株式手数料は1%前後です。

購入時に約1%、売却時に約1%でトータル2%以上かかります。

そのため株を買ってから利益を出すためには、買った株が最低でも2%以上値上がりしなければなりません。

一日の取引時間中に株価が2%以上値上がりすることはなかなか難しいです。

2%の手数料に加えて、さらに株価が値上がりしてようやく利益が出ることになります。

対するネット証券の株式手数料率は、証券会社や約定金額・プランなどにより異なりますがゼロになる場合もあります。
信用取引でも取引手数料は無料で金利と口座管理料のみ負担となり、対面証券会社とは比べ物にならないほど費用を抑えて取引が可能になります。
その結果株価が少し値上がりすれば利益を取ることができます。

投資信託の手数料率についても、ネット証券は店舗型証券会社にくらべて総じて安い傾向にあります。

手数料率の違いは人件費相当分によるもので、対面型証券会社では取引手数料率を高く設定しなければ採算が取れないことが理由です。

勧めた株が含み損になったら連絡が遠のく

証券マンは顧客に勧めて買ってもらった株が下がると冷や汗が出ます。

場中は金融情報の全てがリアルタイムに更新されるQUICKというソフトをパソコンモニターに立ち上げ、常に対象の株価を監視しています。

顧客側もヤフーファイナンスなどで、ほぼリアルタイムで株価をチェックしているでしょう。

証券マンの心理的な流れは次の通りです。

自分が勧めたのに株価が下がってしまった➡お客様に謝らなければならない➡でも怒られるかもしれない➡いつも良くしてくれるお客様だし、なおさら申し訳ない➡だから会いたくない、話したくない➡連絡が遠のく。

この状態から更に株価が下がってしまうと、完全に勇気が無くなり連絡が途絶えてしまいます。

そのうち回復できないところまで株価が下がってきてしまい、塩漬け状態の90%の中に入ってしまうのです。

「下がってしまいました。申し訳ありません。売ってください。」と顧客に伝えることができる証券マンは少ないと思います。

大きな損になる前に「この辺で売ってください」と言うことが出来れば、復活できるぐらいの浅い傷で済みますがお客様から距離を置いてしまいがちです。

高い手数料を払って株を買ってもらって、株価が下がって損をさせて、また高い手数料を払って売ってもらう。

顧客側からするととんでもない話で、それは証券マンも当然わかっています。

だからなおさら勧めた株が下がってしまったら連絡をためらってしまいます。

勧めた株に利益が出たらすぐに利益確定

証券会社の利益はお客様の売買手数料が主なので、たくさん取引してもらう方が利益が出ます。

そのため、お客様が持っている株にわずかでも利益が出た場合、すぐに売ってもらいたくなるインセンティブが発生します。

ですが、本当にわずかな利益だとお客様に体面が保てないので、もう少し利益が出たところで売ってもらうように働きかけます。

内心ではまだしばらく持っていればもっと株価が上がりそうだと思っていても、早く手数料が欲しいために早い段階で「売ってください」と伝えるのです。

そういった形でノルマの割り当てを達成し営業目標のプレッシャーから逃れることができます。

含み損時の対処法

含み損になって証券会社から連絡が少なくなったと感じてきたら、大損になる前に自身で判断して売ることが最良の選択です。

このようなケースの場合、下がった株が再度上がるまで同じ証券マンから連絡がくることは少ないでしょう。

最終的には自己判断が一番大切な対処法になります。

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