金融機関への就職に有利になる資格(体験談)

一番有利な資格は証券アナリスト

金融機関への就職の際に有利になる資格は、 簿記2級、TOEIC、ファイナンシャルプランナー、証券外務員、証券アナリストなどありますが、その中でも一番評価が高い資格は証券アナリストです。

1次試験の合格だけでも人事からの評価は高い

新卒であれば1次試験の3科目合格だけでも、人事部からの評価は非常に高いので大きなアドバンテージになります。

リテール部門において証券会社、銀行、保険会社、さらには商社など金融機関以外の他業種でも内定確率は非常に高くなるでしょう。

2次試験の合格まで大学在学中に果たしていたら評価は非常に高く、投信会社や外資系金融機関でも高く評価されます。

大学在学中に2次試験合格を目指すのであれば大学1年目から早くも視野に入れておく必要があります。

社会人経験があって第二新卒や転職の場合でも1次試験の合格だけでも評価は高く、2次試験まで合格していたら異業種からであってもかなり評価は高いでしょう。

証券アナリスト試験合格までに最短1年半、資格取得に3年間の実務経験が必要

金融業界やその関連する業務において3年以上の実務経験がないと、証券アナリスト2次試験の合格を果たしても証券アナリスト(日本証券アナリスト協会検定会員)とは名乗れません。

証券アナリスト試験は1次と2次の2回試験があり、受講開始から2次試験合格までに最短でも1年半から2年は必要になります。

1次試験は年に2回行われ、春(4月下旬)と秋(9月下旬か10月上旬)2次試験は6月下旬に行われ、その後合格発表が行われるので、大学4年時に合格してしまうと就職活動に間に合わなくなってしまいます。

ですので、大学2年時に1次試験合格、大学3年時に2次試験合格で就職活動を待つということになります。

実務経験は合格前の期間分も含まれ、社会人経験があって他業界から金融業界へ転職する場合は、2次試験合格後すぐに証券アナリストを名乗ることが出来ます。

実務経験は幅広く認めてもらえる

この実務経験に関して日本証券アナリスト協会はかなり幅広く認めてくれています。

金融業界では証券分析業務ではなくセールスであっても認められ、金融業界以外の他業種の財務部門などにおいても実務期間として認めてもらえます。

異業種なので取得を諦めてしまうという前に協会に問い合わせてみる価値は十分にあると思います。

合格率は1次試験が50%前後、2次試験が40%前後 難易度は高い

証券アナリスト試験の合格率は1次が50%前後、2次が40%前後でかなり高い数値となっています。

この数値を見ると簡単かと思いがちですが決してそうではなく、確実に勉強をしなければ合格には至りません。

2次試験の記述問題は午前3.5時間、午後3.5時間の計7時間の試験時間ですがそれでも時間が足りませんし、計算問題も高度で論述問題では正解キーワードを含めて論理的な展開が求められます。

FP2級は新卒時高評価も転職時は低い 1級受験資格はCFP資格が必要

FP2級は新卒時の就職活動であれば金融業界への就職にかなり有利になるでしょう。金融業界志望の学生であっても、関連する資格まで保有している学生は少ないので、その中でのFP2級の保有者は人事担当者の目に留まります。

社会人経験があり他業種からの転職ということであれば評価はそれほど高くはなく就職に有利に働くまでには至らないでしょう。

2021年5月現在、FP2級保有者数は全国に約94万人となっており希少性がそこまで高くありません。対するFP1級の保有者数は全国に約4万5000人しかおりません。

FP1級試験の主な受験資格は下記です。

①FP2級を合格し、さらに関連の実務経験1年以上

②5年間のファイナンシャルプランニング関連の実務経験

金融業以外の業種の人の場合、②の条件を満たすことはハードルが高くなります。

その他日本ファイナンシャル・プランナーズ協会のCFP資格を取得した後、FP1級の実技試験の受験資格を取得できます。

CFP資格の保有者はFP1級と同等の高い評価で就職に有利に働くでしょう。

CFPやFP1級資格を強みとして就職した場合にはフロント、セールス、営業として即戦力としての活躍が期待されます。証券アナリスト資格とは違い職種はある程度限られていることに注意した方が良いでしょう。

試験日程は5月、9月、1月の1年間に3回

国家資格であるFP試験は金融財政事情研究会と日本ファイナンシャル・プランナーズ協会によって実施されます。なお1級試験の学科試験は金融財政事情研究会のみによって実施されます。

FP2級の受験資格は・AFP認定研修を受講終了・FP3級試験の合格者・2年間の実務経験者・厚生労働省認定金融渉外技能審査3級合格者で、試験日程は1年間に3回、5月、9月、1月に行われます。

試験時間は学科2時間、実技1時間半となっています。

FP1級の受験資格は金融機関などで5年以上の実務経験があるか、2級FP資格を保有し1年間の実務経験を有していることです。

試験日程は1級の学科試験は2級3級と同日に行われ、実技試験は6月上旬から中旬、9月下旬から10月上旬、2月上旬から中旬に行われます。

試験時間は学科は基礎、応用に分かれ同日の午前午後に2時間30分の計5時間で行われます。実技は10分から15分程度の面接試験が午前と午後の2回行われます。

試験合格率は1級の学科は10%前後、実技80%前後で、2級は学科が40%から50%、実技が50%から60%前後となっています。

TOEIC 新卒600点,転職750点以上が評価の対象

金融機関の就職活動中に評価される最低限のTOEICの点数は新卒時が600点、転職の際は750点以上が評価の対象になるでしょう。

実務では一部の業務を除いてTOEICのスコアはほとんど関係ありませんが、高スコアであると企業側も少しでも優秀な人材の確保に尽力しているため思いのほか人事部からの印象は良くなります。

転職である場合は応募者の経歴によりますがさらに高いスコアであると望ましいでしょう。

採用後の周囲からの評価 

資格は就職の際に大きな武器になる訳ですが、採用後においての周囲からの評価や実際にどう思われるかも気になるところだと思います。そのことを書いていきます。

FP1級より証券アナリストの方が評価は高い

FP2級に関しては残念ながらほとんど周囲から評価はされません。

FP2級の資格は金融機関の従事者であれば馴染みのある資格で、取得するまで受験が義務付けられている会社もあるからです。

FP1級であっても労力に対しての周囲からの評価はそれほど高くない、というのが実際です。「よくやりましたね」「2級取ってから1級も取ったんですね」と言われるお褒めの言葉を頂けます。

しかし証券アナリスト資格になると全く異なります。

証券会社の社員であれば、口には出しませんが証券アナリストの資格を皆意識しています。

その資格を若年層社員が取得すると上位管理者の接し方も変わってきます。名刺に「日本証券アナリスト協会検定会員」と入ると顧客のみならず同僚含め周囲へ大きな影響を及ぼします。

アナリスト資格は目指そうとする人は多いですが、入り口の段階で諦めてしまうようです。

恐らく日本証券アナリスト協会から送られてくるテキストを試し読みして、その段階で出来ないと判断している人が多いのだと思います。

日本証券アナリスト協会から送られてくる試験用テキストはパッと見ると非常に難しく書かれており理解できる人は少ないでしょう。

合格者のほとんどは証券アナリスト協会テキストよりも、市販のテキストもしくは専門学校の講座を受講して合格していて、協会テキストだけ使用する人はほとんどいないと思います。

TOEICの点数や簿記、その他資格などは日常業務のなか自分から言わない限り、周囲に知られることはほとんどないと思います。

飲み会の席などで資格の話題になったり、管理者からふとしたきっかけで周囲に伝えられない限り知られることは少ないでしょう。

それでも改めて知ることになった時は周囲からの評価は高くなるのではないかと思います。

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